WEB MAGAZINE2020.10

使うほど、好きになる。
いつもそばに、マラルンガのある暮らし 陶作家・ギャルリ百草廊主
安藤 雅信さん

1973年にデザインされ、今なお世界中で愛されている「マラルンガ」。一度、腰を下ろしたら「その座り心地が忘れられなくなる」と評される名作ソファです。そのデザイナーであるイタリアの巨匠ヴィコ・マジストレッティの生誕100年となる今年、彼の代表作であるこの名作は一層の注目を浴びています。

ニューヨーク近代美術館にも所蔵されているこの美しいソファを愛用しているのが、陶作家の安藤雅信さん。「もっと長く使いたいから」と、この夏(2020年)、11年目にしてカバーの張替えをしました。安藤さんの暮らしの中で、マラルンガとはどんな在り方をしているのでしょうか。多治見にあるご自宅とギャルリ百草を訪ね、その様子を前後編でお届けします。

- 前編- 家族とともに、時を刻むマラルンガ

#1

気がつけば、
子どもたちに占領されていた

「子どもが3人いるのですが、11 年前にマラルンガを購入したときは、12歳、9歳、3歳でした。一番下の子は、マラルンガの上で生活しながら育ったようなものです。大のお気に入りで、ほぼソファにいました」と、安藤さんは当時を思い出しながら目を細めます。雑木林が残る緑豊かな敷地に自宅を建てることにした際、家に合う家具をいちから揃えたいと思って、ソファ探しが始まりました。
「マラルンガに決めた理由のひとつは、背もたれがハイバック・ローバックに変えられる機能性。実は、20 代の頃に怪我をして首を痛めてしまっているので、首をもたせ掛けられるソファが欲しいとずっと思っていたのです。もちろん、包み込まれるような座り心地も気に入りました」その使い心地は、前述のように子どもたちの姿が物語ってくれています。「子どもは、誰のデザインだとか、どこのブランドかなどの先入観がありません。居心地の良い場所を本能的に知っているのでしょうね。だから、大正解だったと思っています。個室を与えたのに、家にいるほとんどの時間をソファの上で過ごしているのですから。お客様と自分のために買ったのに、大人はほとんど使えないという有様(笑)」

#2

これからも長く使いたいから、
張り替えを決意

2020年の夏。安藤さんは、家族団欒の中心となったマラルンガの張替えをしました。新しいソファに買い換えるという選択肢はなく、張替えはごく自然な流れだったといいます。
「数年前にマラルンガは張替えができることを聞き、それはもう絶対にやりたいと、躊躇はありませんでした。我が家では、結果的に応接用ではなく日常で使っているので、経年としてはちょうどいいタイミングだったと思います」白いファブリックから一転、黒のレザーに張替えられて生まれ変わったマラルンガが1カ月ぶりに安藤家に戻ってきました。「マラルンガがない間は、リビングでの居場所づくりに家族のみんなが困っていましたよ」
長旅から戻り成長した我が子の姿を見るような眼差しで、マラルンガを愛でている安藤さんの表情から、張替えの仕上がりに満足している様子がうかがえます。
「本来、この家には白や生成りが合うのでしょうけれど、今後も長く日常で使うことを考えて、黒いレザーを選びました。思っていたほど威圧感がなくて、良いですね。レザーの経年変化も楽しんでみたいし」

#3

ストーブ、メガネ、腕時計、万年筆…
使い心地のいいものを愛用

「最初に少しの投資が必要だとしても、好きなもの良いものを長く使い続けるということを若い頃からやっているので、このマラルンガとの付き合いも長くなると思います」と話す安藤さん。例えば、40年前の学生時代に出会ったアラジンの反射式ストーブ・シルバークイーンは、今も現役で使い続けています。

「新品みたいにピカピカですよ。このストーブは形が美しくて、とにかく暖かい。もう製造していないのですが、ネットで探しまくって、今は同じもの6台持っています(笑)。すべてギャラリーや工房で活躍しています」

ほかにも、腕時計、万年筆、車など、気に入ったものは、20年、30年と愛用していて、ツル式の丸メガネに至っては「死ぬまでに必要なメガネは買ってあります」と、涼しい顔でさらりと話します。

「安物買いの銭失いという言葉がありますが、小さい頃から、安いものを買ってくると母に怒られていました。そんな影響もあるかも知れません。もちろん、安くていいものを探すのも好きですよ。百円ショップにも出かけます(笑)。ただ、工具や道具、家具などは、多少値段が高くても結局のところは、良いものの方が長く使えて、そして使い心地も良いんですよね」

#プロフィール
安藤雅信 Masanobu Ando
陶作家、ギャルリ百草廊主。1957 年、岐阜県多治見市生まれ。武蔵野美術大学彫刻学科卒業後、日本人の美意識への興味から多治見に戻り、焼物を学ぶ。現代美術作家として活動しながらも、アメリカやインドへの旅を経て、日本人であることに対する意識やチベット仏教の基本的な思考などを獲得していく。結婚後、焼物制作へと基軸を移し、97 年「古道具坂田」で開催された「オランダ白釉陶器展」にインスパイアされ、その後の方向性が決まり、98 年古民家を移築して「ギャルリ百草」を開廊。2000 年に代表作となるオランダ皿が完成。和洋問わず使用できる日常食器の定番を1,000 種類以上制作、彫刻的な作品や様々な茶道具も発表している。
https://www.momogusa.jp

ギャルリ百草・ももぐさカフェ
〒507-0013 岐阜県多治見市東栄町2-8-16
TEL:0572-21-3368

ソファメンテナンスについて

カッシーナ・イクスシーでは、皆様に末永くご愛用いただけますようアフターサービスとしてメンテナンスのご相談を承っております。マラルンガソファの張替えでは、カバー交換以外に中綿の交換やウレタンの補修まで行うことが可能です。メンテナンスをすることで見た目だけでなく座り心地も新品同様の快適さをお届けいたします。何かお困りの点がございましたらお気軽にご相談ください。
※ソファの種類によりメンテナンスの内容は異なります。

BEFORE

BEFORE






生地の貼り替え

中綿交換

ウレタンの補修
AFTER

AFTER

張替えサービスの商品お預かり期間:
国内張地をご希望の場合:約1〜1.5ヶ月程度
輸入張地をご希望の場合:約5〜6ヶ月程度
※工場の混み具合、ご依頼内容により前後いたしますので、予めご了承いただけますようお願い申し上げます。
※張替えサービス、メンテナンスはカッシーナ・イクスシーでご購入いただいた家具に限ります。

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