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VOL.24 Maria Teresa(マリア・テレーザ)

Maria Teresa(マリア・テレーザ)

カッシーナ・イクスシーの2019年のテーマは「ALTA MODA」。
丁寧に時間をかけて手作業で作り出される「CECCOTTI COLLEZIONI(チェコッティ・コレツィオーニ)」のリローンチに際しブランドの世界観を表現した特別展示しています。今回は創業当時からフランコ・チェコッティ氏の右腕として展示関連業務、広報担当を務めていらっしゃるMaria Teresa(マリア・テレーザ) さんにチェコッティのものづくりに対しお話をうかがいました。

チェコッティのブランドにおいて、ものづくりをする上でベースとなっているコンセプトはありますか?
一番重要なのは、無垢の木を使っていること。オーガニックな形でも無垢の木で実現する、ということがベースになっています。ものづくりにあたっては、代表であるフランコ・チェコッティが全てコントロールしています。どんなデザイナーでも、どんなデザインでも、それがチェコッティ・コレツィオーニの中で成立するかということが重要になっています。
シェラック職人ワークショップ
チェコッティのデザイン自体はタイムレスな印象を受けますが、時代にあった表現はどのようにしていますか?
新しいものを作るにあたって、デザイナーに「こういうものを作って」という話はしません。例えば、デザイナーに職人の技術を直接見てもらって「こういうことができます」と伝え、そこで感じたところからデザインをしてもらうよう依頼しています。 トレンド追うことはしていません。心の底から出てくるものを毎年商品として発表しています。例えば今年のミラノ・サローネも、結果的にトレンドになっていることはあるかもしれませんが、トレンドを意識して見本市ブースを作っているのではありません。 今年感じた色は、グリーンやブルーグリーン。ブースで使用したオレンジやサーモンピンクなども確かにトレンドの色ですが、トレンドだから取り入れたわけではなく、自然な感覚でミラノの色々なお店を見ているとき目に入ってきたものがあらわれたかもしれない、ということです。
1988年にオリジナルコレクション発表した後、31年経っても人気のあるコレクションは?その理由は何だと思われますか?
いちばん最初のコレクションでもある<チュンベラ・セグンダ>チェアは、定番アイテムです。流行を追っていないということに通じるかもしれませんが、1988年に発表されて今でも売れ続ける理由は、時間を感じさせていないということであって、今も1988年も同じ感覚で取り入れることができるという証です。 チェコッティの製品はクラシカルな空間にも合い、モダンな空間にも合い、日本であれば和風にも合う雰囲気があります。 今年の新作に「ブラッディ・マリー」というワゴンがありますが、デザインがタイムレスなので今年発表のものなのか1988年発表のものなのか、一見してわかりません。かつて色々なブランドで作られていたワゴンも、最近はあまり見かけなくなりました。昔の建築家が作った家は、家具から全てデザインしています。その中でワゴンも作っていました。過去を振り返ってみて、今ないものを作ろうということで敢えて今回ワゴンを発表したのです。
チュンベラ・セグンダ チュンベラ・セグンダ
ブラッディ・マリー ブラッディ・マリー
<テレーザ>チェアについて何かエピソードはありますか?
デザイナーのロベルト・ラッツェローニとは1988年に知り合いました。ブランドを立ち上げたばかりの初期の頃から皆で一緒にコレクションを作ってきました。彼は近所に住んでいて、会社にもよく来ていました。私も1988年当時は若かったので、可愛い女の子扱い。今はそこまで若くないですが(笑)。 いつもロベルト・ラッツェローニに、「椅子をデザインして」とお願いしていました。今年で31年間のつきあいですが、私の名前の付いた<テレーザ>チェアの発表が2、3年前のことです。発表する少し前、デザイナーが名前をつけることになっていて、今度の椅子の名前は何にするのか尋ねたところ、「知らないの?テレーザですよ。」と。ようやく、という感じでした。オーナーの名前である<フランコ>という椅子はまだありません(笑)。
TERESA(テレーザ チェア)
ミラノのショールームについて教えてください。
ミラノのお店の空間構成は、大きくは4月(ミラノ・サローネ)、9月、12月(クリスマス)で変わります。空間構成は主にフランコ・チェコッティと私が考えますが、ミラノ・サローネの時は、デザイナーやスタイリストも入れて一緒になって考えています。 今年はサローネ会場のブースで展示しなかった新作ベッド<スウィート・ドリームズ>をお店で展示発表しました。 サローネ会場の展示と市内のショールームの展示は連動させていて、モンテナポレオーネというラグジュアリーブティックが立ち並ぶエリアに位置するショールームでの発信も、非常に重要なものと考えています。
ミラノショールーム ミラノ ショールーム
ミラノショールーム ミラノショールーム
SALONE会場 サローネ会場
SALONE会場 サローネ会場
世界各国で販売されていますが、日本のマーケットについてどのように感じていますか?
カッシーナ・イクスシーとの取り組みには大変満足しています。店頭での見せ方にこだわりをもって販売していると思います。 フランコ・チェコッティは社長でもあり、日本は唯一自分の営業担当エリアとして社長直轄で関わっています。彼は日本に関わることについて全て自ら最終決定しています。今回の展示も基本レイアウトは彼が担当し、私は生地のセレクション等の細かい部分の調整を行いました。 チェコッティの製品を理解してくださっている日本の大切なお客様に対し、特に質の良いものを選んでお届けしています。
Cassina ixc. Aoyama shop
Cassina ixc. Aoyama shop
Maria Teresa(マリア・テレーザ)
CECCOTTI COLLEZIONI Visual Merchandising
創業当時からフランコ・チェコッティ氏の右腕として展示関連業務、広報担当。