A Penthouse in New York リー・ブルームが選ぶDEDARのテキスタイル

イギリスを代表する世界的なデザイナー、リー・ブルームは、2007年に立ち上げた自身のブランドLEE BROOMで100種を超える家具、アクセサリー、照明を製作し、独創的且つラグジュアリーなデザインを世に生み出しています。「ファッションの経験で得たインスピレーションは自身の源泉である」と語るように、インスピレーションのバックグラウンドはファッションデザインにあります。そのユニークなスタイルとアプローチを全てのプロダクトの原点として保ちながらも、常に新しいテーマを取り入れ、デザインを探究しています。
そんなリーが、このたび自身の住まいをリノベーション。ユニークで現代的なのにどこか居心地の良いクラシカルな佇まいが感じられるLEE BROOMの家具や照明に、イタリアのテキスタイルエディターDEDAR(デダール)の上質なテキスタイルを用い、独自の個性溢れる住空間を作り上げたのです。ニューヨークにあるプライベートハウスをご紹介してまいります。
LIVING ROOM

リビングルームは、ブラッシュドブラス、ガンメタル、マットブラックのアクセントが効いたモノトーンの落ち着いた空間でゲストを迎えます。
この部屋の中心となるのは、シンメトリー(左右対称)とシームレス(継ぎ目がない)をテーマにした流線形のソファ。DEDARのブークレー生地※(KARAKORUM,col.1)を使用しています。アイボリー色でナチュラルな雰囲気を生み出し、彫刻的なアームレスト、コーナーテーブル、サイドテーブルと美しく融合しています。
※ブークレー生地:ループ糸をあえて表面に出すことで立体感を表現した織地


リー・ブルームがこの空間のために特別にデザインした特注の暖炉は、イタリアのトラバーチンから階段状に削り出されています。これは、リビングルームから見える、リーがお気に入りのニューヨークの高層ビル「ロングラインズ」のブルータリズム建築からインスピレーションを得たものなんだそう。暖炉上のファブリックボードは、DEDARの生地(BABELIA,col.2)で制作したもの。バウハウスにヒントを得た幾何学模様に、同時期に活躍した画家マレリッチの色使いのアイディアをプラスしたデザインは、まるでこの空間のさまざまな素材の色をグラフィカルに取り入れたひとつのアート作品のようになっています。

この部屋には、ポリッシュドガンメタルのCarousel XLペンダント、マットブラックのLens Flairペンダント、CrescentテーブルランプなどLEE BROOMのさまざまな照明がレイアウトされ、円形や球体の形状がローテーブルやハンギングチェアとリンクしています。
DINING ROOM

One World Trade(ワン・ワールド・トレード)の壮大な景色を望むグランドテラスに面したダイニングルーム。深いブルーのモアレ加工を施したDEDARのウォールカバリング(AMOIR LIBRE WALL COVERING, col.23)と、もう一段深みを感じるブルーのベルベットをまとったソファの張地(ADAMO &EVA, col.3)、そしてソファに置かれたクッションカバー(FANDANGO,col.3)もさまざまなブルーが波のように入り混じる生地を選んでいて、ブルーだけなのに単調にならずむしろダイナミックな動きが感じられます。


ラグの色に合わせたグレーのベルベットのプリーツドレープカーテン(ADAMO & EVA, col.162)も非常にエレガント。理想的なセッティングになっています。またこの部屋にはラグナビーチのチェイス・レジデンスのためにスティーブ・チェイス氏がデザインした1980年代のオリジナル・カスタム・バーがあり、ここが洗練されたおもてなしの空間であることを思い出させてくれます。
GUEST BEDROOM

ゲストベッドルームには、Carousel XL(マットブラック)、MINI CRESCENT CHANDELIER 3Pなどを設置。特大のヘッドボードは、リーが2017年のロンドン・デザイン・フェスティバルのために制作した「On Reflection」という展覧会から再利用したものです。ショーや展示会で使用したものをできるだけ再利用し、無駄なものを作らないことを大切にしています。
サイドボードはマッキントッシュのヴィンテージ品で、リーが黒く染色したもの。大きなディスプレイケースはビクトリア調で、もともとは2015年にミラノデザインウィークの展示会Department storeで使用したものです。アートワークはリー・ブルーム自身が描いたものです。

MASTER BEDROOM

ベッドは1960年代に製造されたステンレスと真鍮のターンドベッドです。ロンドンの自宅のゲストベッドルームや、インテリアプロジェクトに使う予定でした。彼の家には大きすぎたのですが、球体や柱を使った作品にインスピレーションを与えてくれたので、手放したくなかったのだそう。そして、ついにニューヨークのペントハウスで使うことができました。
ヘッドボード上に飾っているのは、DEDARのファブリック(UNTITLED,col2)で製作したアート作品のようなファブリックボード。窓枠など、どことなく内装の一部とリンクしたモチーフが、まるでこの家のために作られたパターンのように感じさせます。


DEDARのウォールカバリング(IRIS WALL covering, col.39)の前にはコージーなソファが置かれ、同じくDEDARのクッションカバー(CORIANDOLI,col5)はイタリア語で「紙吹雪」を表すその生地名のように、ダークトーンの中に華やかなワンポイントを作り出しています。
インテリアデザインは、ファブリックの使い方次第でどのような個性でも表現することができます。リー・ブルームは普段から無地の生地を選ぶことが多いそうですが、無地は無地でもおもしろい質感や深みのある色合いに惹かれるため、無地のラインナップが豊富なDEDARのコレクションをよくセレクトするのだそう。先述のダイニングルームでは、美しい深みのあるブルーのモアレ(Amore Libre)を壁に、(Fandango, col.3)をクッションに使いました。モアレを選んだのは、夜のキャンドルライトで浮かび上がるような繊細な質感のものが欲しかったからです。ドレープと椅子のクッションには、ラグジュアリーなベルベット。DEDARのブークレー、モアレ、ベルベットの品質の高さは、この空間を見れば一目瞭然です。ひとつの空間の中で異なる生地の質感を同じ色調で対比させるのが、コーディネートのコツ。まとまりがあって面白く、美しい作品の素材感が前面に出てきます。
DEDARには、豊富なカラーバリエーションと優れた技術的革新を備えた高品質のファブリックが揃っています。リーは特に(Karakorum Bouclé Wool)が好きで、この家でもリビングのソファに使用しています。ソファとブークレーのファブリックが完璧に機能し、その曲線とシンメトリーを優しく強調しながら、テクスチャーのおもしろさをもたらしています。
ニューヨークのペントハウスには、リーのファブリック愛がたくさん詰まっていました。
Photo:Stephen Kent Johnso
Styling:Michael Reynolds


ABOUT
LEE BROOM
Lee Broom(リー・ブルーム)は英国を代表する世界的なデザイナーの1人として、2007年のブランド設立以降、「LEE BROOM」のブランド名のもと、100種を超える家具、アクセサリー、照明を製作し、その独創的且つ高級感のあるデザインは世界中で高く評価されています。ユニークで現代的なデザインの中にもどこか居心地の良いクラシカルな佇まいが感じられるデザインが特徴的で、上質な素材と最新技術を組み合わせ、進化と革新を重ねて確立された「LEE BROOM」 は、各国の主要雑誌やメディアで取り上げられる今注目のブランドです。彼の生み出すシュールでダイナミックなインスタレーションは世界で高く評価され、毎年ミラノ、ニューヨーク、ロンドンのデザインウィークでコレクションを発表しています。現在では、ニューヨークとロンドンに構える旗艦店をはじめ、世界50カ国、250店舗で販売されています。
これまでに30にも上る名誉ある賞を受賞しており、中でも英国のビジネスシーンにおいて最も権威のある賞である「The Queen’s Award for Enterprise」を2015年にバッキンガム宮殿で授与され、女王陛下よりその功績を讃えられました。近年では、Elle Decoration British Design Awards, Best Lighting、Eclipse 2019 Interni Magazine,Global Design Power 50 List 2018 などを受賞しています。 DEDAR ブランドページへ
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