Special Interview VOL.2 Gianluca Armento

2015年4月、ミラノ市内のCassinaショールームでは、
ミラノの建築事務所Calvi&Brambillaによるル・コルビュジエの作品からインスパイアされた
特別インスタレーションが展示されました。

プロジェクト発足の経緯をお聞かせください。

50周年を機にル・コルビュジエの功績を今一度見つめ直し、刺激的なプロジェクトを通じて
カッシーナブランドと若手のイタリア人建築家や建築事務所との関係をより緊密化にすることを目的としました。

イタリアの建築業界では中心的な役割を果たしているINTERNI誌と共同開催し、
編集長のジルダ・ボヤルディ氏がコンペの選考プロセスに直接係わることによって
プロジェクト自体が価値あるものとして認識されました。

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どのような意図でコンペ形式にしたのですか?

より多くの建築事務所の参加を促すためにコンペ形式としました。

参加者の選定基準はどのように決められたのですか?

カッシーナのショールームのあるミラノ市を中心に展開している建築事務所をターゲットとし、
INTERNIと参加者の選定をしました。

各参加者の作品選考の際に最も重要視したポイントは何でしたか?

ミラノと周辺地域をベースに展開しているという地理的な条件と
カッシーナブランドがターゲットとするマーケットを照準に合わせている建築事務所としました。

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「住宅は住むための機械である」と言ったル・コルビュジエからインスパイアされた演出。
シートやクッションが回転している抽象的表現に、ル・コルビュジエの先駆的発想が反映されています。

最優秀者を決めた決定的な要素は何でしたか?

コンペ選考委員会の会長としてマリオ・ベリーニが明確に説明したとおり、
Calvi & Brambillaは「カッシーナというブランドの持つ創造力、さらにはモダニズムの真髄を反映した
商品に極めて現代的かつ詩的な解釈を施している」という点で評価されました。

住まいのことを機能を備えた「住むための機械」と称したル・コルビュジエの定義に
インスパイアされた二人は、今回極めて動的かつ詩的なインスタレーションで見るものを圧倒したと言えます。

選考者とINTERNI側で意見が分かれたり、特に留意された点などはありましたか?

今回参加いただいた各事務所の作品はいずれも極めてレベルの高いものでしたが、
選考者はほぼ全員一致で最優秀賞を選出しました。

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INTERNI誌とのタイアップ企画、サローネでのインスタレーションの反響はいかがでしたか?

インスタレーションとウィンドウは業界内ならびに一般のお客様から高い評価を得ました。
サローネ期間中も多くの方々の話題の中心となり、デザイン・ウィーク期間中のみならず終了後も大いに注目を集めました。クリエイティブな要素が高く評価されたため、サローネ終了後もインスタレーションの展示を1ヶ月延ばすことに致しました。

今回コンペに参画いただいた作品の質が極めて高かった為、
サローネの間Via Duriniのショールームの2階で全作品を展示しましたが、
参加された建築事務所ならびに関連会社からも大変好評を得ました。

Gianluca Armento
Gianluca Armento
1968年オーストラリア生まれ。
インド、カナダ、アイルランド、南アフリカでの生活の後、1989年イタリアへ。オーストラリアのウィットウウォーターサンド大学と伊ローマ大学を卒業。卒業後は多国籍企業、プロクターアンドギャンブル社のスイス支社で15年間様々な役職を経験し、後に同イタリア支社で「Gilette」ならびにスナック菓子の担当役員を務める。

2009年10月、高級家具・コンテンポラリーデザインで知られるカッシーナのブランドディレクターに着任。マーケティングの経験を活かし、家具業界における革新的なアプローチを以て挑戦を続ける。
2015年1月よりカッシーナのマネジング・ディレクターに就任。