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2021.09.10 secret [青山本店] Art Gallery DELL’ARTE
企画展「私語する景色」


Courtesy: Renato D’Agostin / Bildhalle Zurich and Amsterdam
レナート・ダゴスティン「Paris」2002年 /ゼラチンシルバープリント

アート・ギャラリー“DELL’ARTE(デラルテ)”にて初めての写真展「私語する景色」を開催いたします。
ひさしぶりに大事な人と顔をあわせる。話したいことはあったはずなのに、思わず口ごもる。そんな時、つい部屋のなかに会話の糸口を探してしまう。たとえば瓶に差した季節の花、手に取りたくなる雑貨について。
壁に飾った写真も、私たちの関係を取り持ってくれます。そして写真の被写体は、遠く、見しらぬ風景であるほど良い。私たちから等しく距離をとるその光景は、お互いに潜む記憶を喚起し、ゆっくりと会話を促します。封じ込められたモノクロの光は、長旅の果てに忘れてしまった景色に通じているのかもしれません。
本展は、モノクロの写真ばかりの展覧会です。それが思いもかけないダイアログをもたらす契機となるよう企画されました。


「私語する景色」
会期:2021年9月21日(火) - 11月9日(火)予定
開催店舗:青山本店2階 アートギャラリー DELL’ARTE(デラルテ)
展示作家:ウンベルト・レジアーニ/ジャンニ・ベレンゴ・ガルディン/ハネス・キリアン/レンゾ・ムラトーリ/レナート・ダゴスティン/ジョン・ジョナス・グルー/サンフォード・ロス/ハリー・キャラハン ほか

作家リスト

ジャンニ・ベレンゴ・ガルディン
1930年イタリア生まれ、写真家、フォトジャーナリスト。 「イタリアで戦後最も重要なカメラマン」と評され、作品はヨーロッパ写真美術館、ニューヨーク近代美術館、国連本部など世界中でコレクションされています。ベレンゴがとらえる街区や群衆には、ジャーナリストの眼による突き放すような客観性と、一瞬の奇跡を求める写真家の詩性が共存しています。2017年、カメラメーカーのライカが彼を殿堂入り作家として認定した際に、その相反する運動こそが彼の魅力であると評しました。
ファン・ホー
1931年上海生まれ。「東のカルティエ=ブレッソン」とも呼ばれ、生活感のある街区や路地、市場を主なモチーフとしつつ「決定的な瞬間」を意識した作品を多く残しています。幾何学的な構造、パターン、テクスチャを巧妙に構成しつつも、予期しないものの衝突が彼の作品には頻繁に見受けられます。アメリカ写真協会、英国王立写真協会、英国王立芸術協会のフェローであり、シンガポール、アルゼンチン、ブラジル、ドイツ、フランス、イタリア、ベルギーの写真協会の名誉会員であり、1958年から1965年の間にアメリカ写真協会によって「世界のトップ10の写真家」の1人に選ばれました。
レナート・ダゴスティン
1983年 ベネチア生まれ。2001年よりベネチアで写真家としてのキャリアをスタート。初期は世界各地の都市風景を主なモチーフとし、西欧を中心に撮影。しばらくミラノを拠点とした後、ニューヨークへ移り、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの各地で展覧会に参加し多数の書籍を出版。2018年にはベネチアに戻り、現在も制作を続けています。 その作品はLACMA(ロサンゼルス)や国際写真センター(ニューヨーク)等にもコレクションされています。
サンフォード・ロス
1906年ブルックリン生まれの国際的に著名な写真家。1946年まではアメリカで活動し、その後ヨーロッパへ移り、世界各地で活動しました。 彼の写真はTimeや Life等多数の媒体に掲載され、James Deanを多く撮影したことでも知られています。 彼の写真はピカソ、ジャンコクトー、ストラビンスキー等にコレクションされていました。 作品はMOMAでは度々展覧会に出品され、MOMAを含む世界中の美術館で収蔵されています。
マリオ・ジャコメッリ
1925年イタリア北東部のセニガッリア生まれ。独学で写真を学び印刷の仕事のかたわら写真家としてのキャリアをスタートさせました。コントラストが強いモノクロ写真が特徴です。 大半の作品は生と死がテーマになっており、代表作は、「ホスピス」、「風景」、「スカンノ」、「若き司祭たち」など。 空中撮影された抽象的なイタリア田舎風景や老人ホームの写真で知られています。ニューヨーク近代美術館でも作品は発表・収蔵されています。
ギョクシン・スィパーヒオール
1926年、トルコ生まれ。イスタンブール大学でジャーナリズムを学び記者として活躍。トルコにおけるプレスの環境を整え、トルコにおけるジャーナリズムの発展に大きく貢献し、フリージャーナリストとなった後も、活躍を続けました。
ハリー・キャラハン
1912年アメリカ生まれ。アメリカの写真家兼教育者であり、シカゴのインスティテュートオブデザインとロードアイランドスクールオブデザインの両方で教鞭をとりました。自らが住む都市の街路、風景、建物を多重露光で撮影するスタイルが特徴です。1976/1977年にニューヨーク近代美術館で回顧展を開催し、国民芸術勲章を受賞。1978年のヴェネツィアビエンナーレでは、画家のリチャード・ディーベンコーンとともに米国代表に選出されました。
マルク・リブー
1923年フランス生まれの写真家であり、フォトジャーナリズムの分野で20世紀を代表する写真家の一人です。 彼の写真は世界各国の新聞・雑誌に掲載された。アンリ・カルティエ=ブレッソンやロバート・キャパによって結成された写真家集団「マグナムフォト」に所属し、アフリカ独立運動、ベトナム戦争の現場にも立ち、西側の写真家として初めて中国を取材。彼の写真は『ニューヨーク・タイムズ』『タイムズ』『フィガロ』『シュテルン』を始め日本の新聞・雑誌などの紙面を飾りました。
レジーナ・レラング
1906年シュトゥットガルト生まれの写真家。1938年よりVogueと仕事を始め、その後は雑誌のみならず、 Christian Dior等のファッション写真も撮影した。作品はミュンヘン市博物館、ポール・ゲティ美術館、フランクフルト歴史博物館に収蔵されています。
ウィリアム・クライン
1928年ニューヨーク生まれ。ヴォーグ誌のアートディレクター、A.リーバーマンに見出されファッション写真のキャリアを開始。写真集「ニューヨーク」を刊行し、その後「ローマ」、「モスクワ」、「東京」を制作。その活動は写真にとどまらず、ファッション界を題材とした映画『ポリー・マグーお前は誰だ?』や『ミスターフリーダム』などの作品も制作しています。
ゴードン・コンバース
アメリカ海軍でカメラマンとして活躍後、Christian Science Monitorに加わり40年にわたってアメリカや世界各地で活動しました。 長いキャリアの中で50以上のアワードを受賞し、1950年にはNewspaper-Magazine Photographer of the Year に選出されました。
フロール・ガルドゥーニョ
1957年メキシコ生まれ。先住民や文化、ストリートスナップ、静物など、さまざまな被写体の白黒の肖像画を主に撮影。メキシコ近代美術館、ニューヨーク、シカゴなどの多くの美術館や、アメリカやヨーロッパの他の美術館にコレクションされています。グアテマラ、ボリビア、エクアドル、メキシコ等を中心に活動し、被写体となる相手の家に滞在しともに時間を過ごしながら撮影することで知られています。
ハネス・キリアン
1909年ドイツ生まれ。スイスにて写真を学びナポリ、パリでの滞在を経て1983年にフリーランスのフォトジャーナリストとしてTime Magazine等で作品を発表。フォトジャーナリストとして活躍した一方、バレーや舞台周辺の作品も多く残しています。
レンゾ・ムラトーリ
1927年イタリア生まれ、1992年逝去

ウンベルト・レジアーニ
1914年イタリア生まれ、1968年逝去