VOL.18 Caterina Fabrizio - DEDAR Co-Owner

Caterina Fabrizio DEDAR Co-Owner
ワールドワイドに活躍されているDEDARブランドですが、
ブランドがスタートした時のポリシーや志についてお聞かせ下さい。
「装飾的デザイン」の略を意味するDEDARは、1976年に私の両親が創業した会社です。
イタリアの高品質で伝統的な手工業のファブリックを斬新、かつコンテンポラリーなスタイルと解釈で再編集し、他に類を見ないクオリティーとユニークなデザインを以て、インターナショナルなデザイナーのニーズに応えたのがDEDARブランドのはじまりです。コモ地方で昔から小さな工房を構え、伝統的な手法でテキスタイルや織、染色、糸等を生産して来た職人やスペシャリストと協業し、綿密な研究開発をしながら国境や業界を越えた真の創造性を追求して来ています。
魅力的な色展開、奇想天外なパターン、卓越した技術、テクスチャーや手触りへの細やかな配慮、手業の妙などがDEDARのファブリックや壁面装飾の大きな特徴となっております。古くより超一流のテキスタイルやファッションファブリックの生産地であるコモをベースとしていることから、創業以来DEDARはデザインやファッションの各分野と堅固な絆で結ばれております。
ご両親達がスタートされたDEDARブランドですが、
ご自身が会社に加わった時のストーリーをお聞かせ下さい。
ラファエッレ(弟)も私も自分達の歩むべき道をしっかり見据えて今日まで歩いて参りました。 しかしながら、幼い時より常に上質なテキスタイルに囲まれ、その中で呼吸をし、育って来たがゆえに、 ファミリービジネスの一翼を担うというのはごく自然な流れでした。DEDARの一員となってからは私どもは共に自らのプロフェッショナルな経験とスキルを常に磨くことに腐心しております。
ご自身がファミリービジネスに関わりだしてから、新たに試みていることはありますか?
私とラファエッレが最初にファミリービジネスに携わった時にはコモに本社を置く12人体制の小さな会社でした。しかし、その後DEDARは世界各国に拠点を置き、総勢170名のスタッフを要する会社へと大きく成長いたしました。常にオープンマインドで好奇心旺盛かつ前向きな探究心を持っていたことが、社の発展に重要な役割を果たして来たと信じております。実際のところ、DEDARのルーツはイタリアという国とそこに息づく職人技に根ざしております。DEDARの商品の8割がイタリア製である一方でその視線は常に世界に向けられ、多様性と対話に満ち溢れています。異文化の間に存在する違いや伝統を、我々はインスピレーションの源やクリエイティブな表現を可能にする隙間と捉えています。DEDARの一番最新のコレクションは多様なスタイル、カラー、素材間の対話を、我々のファミリーの持つ「経験」という名のフィルターを通し融合させ、
卓越したユニークな新しい表現に仕上げています。
DEDAR
誰もが認めるクオリティーを保ち続けているDEDARですが、
日頃、新作を作られる際に心がけている事は何ですか?
何を置いてもまずは「プロダクトありき」と考えております。
新しいコレクションの発表は私どもにとって旅の新たな一章の始まりですが、同時にそれはその先何年にも渡り受け継がれるファブリックの本来の価値の発信であると考えております。我々の発表するインテリアファブリックはファッションとは異なり時間を経てもなお美しい手触り、風合い、リッチな色使い、独創的なパターンや柄、そして永続的な機能を備え持ち、楽しめるものでないといけません。つまり新作を発表することは真の「美」への投資なのです。

新作発表後、我々はファブリックが空間の中で様々な形で用いられ、住まう人の個性を表し、空間を彩るアイテムの橋渡しや独創性の源となっていることを楽しむことができます。
たとえば最新のコレクションは20世紀のミラノの町並みを作り上げたことで知られる偉大な建築家Osvaldo Borsani邸で撮影されました。
ビジュアルを目にする方たちが、イタリアのアイデンティティと目される場所が新しい斬新な視点で捉えられていることに驚き、そしてファブリックを目にしていただけることを目指しております。
また、ソーシャルメディアやサイトを通じ、デザイナーとの協業や関係性をより一層知っていただき、ファブリックの生産工程やお客様のプロジェクトでの我々のファブリックの解釈・応用・活用事例をご覧いただければと考えている次第です。
DEDAR
DEDARの新作MANIFESTO FUTURISTA。1920年代の未来派グラフィックデザインにインスピレーションを得たエレガントで遊び心のあるパターンが特徴的なファブリック。
DEDAR
50年代の抽象画の世界をウールコットンで表現した「PACHISI」。(クッション・手前)
今回ご紹介いただいた新作の中で、特にお薦めの生地とその理由をお聞かせ下さい
2017年の新作はかつてないほどにビジュアル表現とテキスタイルアートの関係性を明確に示しております。ビジュアルに訴える表現とテキスタイルの芸術性はいずれもDEDARのノウハウの結晶として我々のメゾンの差別化の源泉となっています。今年は特にそれがジャカード織で体現されてました。例えば、特徴的で幾何学的なプリントと50年代の抽象画の世界を「Pachisi(パキージ)」というウールコットンのファブリックで実現しました。これは様々なブレンドと異なる太さを持つ糸を非常に複雑な生産工程を経て作り上げられた秀逸なファブリックです。
今まで、様々なブランドと共にお仕事をしてこられたと思いますが面白いエピソードや、
大変だった想い出はありますか?
私どもは、デザインの実現のために要する創造的で革新的な特殊技術をテキスタイルに織り込んでいくことに、大いなる情熱を感じております。これこそが私どもの創造性や成長性を促すものであり、世の中の新たなニーズに応える源となっているのです。さらにDEDARはクリエイティブなマインドを持つ方々とのコラボレーションを好みます。デザイナーやアーティスト、高品質な家具メーカーやカスタマイズされた特注家具を求めているプロのインテリアデザイナーなど。絶えることのないリサーチと発見、新たなるインスピレーションの試作など、一年一年が果てしない探究の旅路となっています。

直近のコラボレーションはミラノサローネの為に写真家でありアーティストとしても知られるBrigitte Niedermair (ブリジット・ニーデルマイヤー)と家具デザイナーのMartino Gamper (マルティノ・ガンペル)と手がけた「スクリーンショット」というプロジェクトでしょうか。「スクリーンショット」はアートとテクノロジーを組み合わせ、壁面アートとしてチークと真鍮のフレームにDEDARの「Tabularasa(タブララサ)」テキスタイルを張り込んだ作品となっています。
これらの作品はマルティノとブリジットが「ブルー(青)」を使ったことで知られる著名画家イヴ・クライン、ピカソ、ヴァンゴッホ、ジオット、マティスなどの画像検索をし、検索結果を待っている間に表示されたパターンをスクリーンショットで撮り、DEDARの Tabularasaファブリックにデジタルプリントしたものです。
このようなプロジェクトはDEDARがアート、創造性、クラフツマンシップに重きを置き、パッションを持って実現するという行動の証でもあります。 スクリーンショット スクリーンショット スクリーンショット
最後に1つ、日本のお客様に向けてメッセージをお願いします
まだ私がファミリービジネスに携わって日も浅くDEDARが小さな会社であった頃、私の家族とフランス人のアーティスト、さらにはマサキという日本人の若いテキスタイルデザイナーがクリエイティブチームを率いていました。マサキはよく「僕は一枚のファブリックがこんなに情熱と愛を持って語られるのを見たことがない」と話していました。その後マサキとは「テキスタイル」と「食」を通し,日伊の架け橋となる友人として長い長いお付き合いをしています。

同様にカッシーナ・イクスシーは日本とイタリア両国のものづくり、デザイン、秀逸したクオリティーをコンテンポラリーな目を以て体現し、日伊の橋渡しをしているものと考えております。 私どもDEDARとカッシーナ・イクスシーは、共にファブリックの持つ力と美的感性を伝えているのではないでしょうか。ファブリックの美しさはその手触りや風合い、深い色味であり、様々なニーズに応えられる多様性、さらには空間の可能性の扉を開くことができる多岐に渡る素材のチョイスなのではないかと思います。
Caterina Fabrizio
DEDAR Co-Owner
Caterina Fabrizio DEDAR Co-Owner

 

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