Special Interview VOL.4 Fondation Le Corbusier Michel Richard

photo : Nina Leen

「LC50」プロジェクト発足の経緯をお聞かせください。

カッシーナ社とはLC50のローンチイベントの何ヶ月も前から様々な形で協議・検証を行ない、準備を重ねて参りました。
毎年LCの家具の啓蒙や販促活動につながるプロジェクトに係わる意見交換をし、計画を立てていますが、こと2015年に関しては、ル・コルビュジエの没後50周年にあたる特別な年であることを踏まえ、特別な思いを込めたスペシャルプロジェクトとして双方スタートいたしました。

Maison La Roche改修とフレームカラー刷新にあたり、特にどのような点に留意されましたか?

ラ・ロッシュ邸の改修工事はル・コルビュジエの建築物、さらにはル・コルビュジエ、ジャンヌレ、ペリアンの共作家具がプロジェクト当初に使用した「オリジナル・カラー」が何であったかに焦点を充て、色の持つ重要性を強調する絶好の機会となりました。
ここでも過去3年間、カッシーナ、ならびにその他のパートナー達と共に長いプロセスを経て研究し、討議した内容が実を結ぶ形となりました。
さらにこれはいかに現存のLC家具がオリジナルに忠実な復刻・真正品であり得るかを多面的かつ完璧なアプローチを以て追究する姿勢を示す証となりました。
ラ・ロッシュ邸を訪れた人々が改修後、驚きを以てこの建築物を見直したのと同様にカッシーナの顧客も新たにリローンチされた復刻品に驚き納得されたに違いありません。


  • Maison La Roche, Paris, hall and dining room
    Photo : Olivier Martin-Gambier 2005
    © FLC/ADAGP

  • Raoul La Roche in the gallery of the Maison La Roche, Paris
    © FLC/ADAGP
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コピー品が絶えづらいと思いますが、意匠についてどのように考えますか?

ル・コルビュジエの意匠継承者としてル・コルビュジエ財団はコピー品に対し強い危機感を持っております。我々はクリエイターや著作権者のビジョンや見解同様、コピー品が突きつけてくる挑戦を極めて重要な問題として捉えております。
これは経済的、財政的な問題というよりもむしろ、創造性やデザインの将来、さらにはオリジナリティやオーセンティック(本物)であることは何かということへの大きな問いかけとなっています。
オリジナリティーの保護が正当にされなければ生産者の技術的なノウハウは消滅し、創造性は永遠に破滅の道を辿るのではないかと考えております。

「LC50」プロジェクトを通じて一番訴えたいことは何ですか?

LC50とラ・ロッシュ邸の改修を通じル・コルビュジエ財団は、とかく「教義的」と捉えられがちなル・コルビュジエの建築物、さらには彼とその共作者による家具などが実は非常に感性や人間性を大事にし、自由な発想や発明、さらには快適性を究め、人間の肉体と精神の双方を考慮していることをアピールできるのではないかと考えております。


  • Chapelle Notre-Dame du Haut, Ronchamp, study of stained glass windows, 15.05.1951
    © FLC/ADAGP

  • Lithography of the "Poème de l'angle droit", page 69, 1955
    © FLC/ADAGP
  • © FLC/ADAGP
  • © FLC/ADAGP

  • Carnet D13, Vernon S. Wood, Liberty Ship, 1945-1946
    © FLC/ADAGP

  • © FLC/ADAGP

  • © FLC/ADAGP

  • photo: Ralph Alberto
    © FLC/ADAGP
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LCコレクションをCassinaが製品化したことで、どのような功績を残したと考えられますか?

カッシーナが60年代よりLCコレクションを復刻することにより、原案に忠実な真正品とは何か、真の意味でのオーセンティックとは何か、オリジナルへの敬意とは何かといった物理的、精神的な問いかけを形にし、広く世に知らしめたことであると捉えております。

Michel Richard - Fondation Le Corbusier
Michel Richard - Fondation Le Corbusier
ミッシェル・リシャール - ル・コルビュジエ財団

1947年生まれ。2004年よりパリのル・コルビュジエ財団のディレクターを務める。 カーン大学で文学を学び、言語学とアイルランド文学、米文学を専攻。 劇団で数年間役者を経験した後に文化省に入省し文化振興に係わるポジションを歴任する。 その後国立美術館の写真部門の担当さらにはマルチメディア部門の部長に就任。