Production Techniques

金属構造

ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンの製品では金属フレームが美的機能を担っているのと同時にクッションを支持するアウトフレームとしての構造的機能をも果たしています。フレームをクッションの内側でなく外側からサポートするという概念は既存のデザインコードを打ち砕く、革新的な付加価値をソファにもたらしました。

金属構造が描き出す曲線はパイプを曲げて作り出されたものではなく、曲線の均一な厚みを保ちつつ2本のパイプを特殊な溶接技法を通じて接合したものとなっています。この特殊な溶接後に行なわれるのは構造体の表面に光沢と滑らかさを作り出すための長く手間のかかる、磨き上げ作業です。金属のクロームメッキ処理と呼ばれる工程は手作業で行われ、これを経て作り上げられたクロームメッキはきわめて厚く、製品のより高い耐久性を保証するばかりでなく、輝きに深みを与えています。全工程を通じ厳密な品質検査が行なわれ、結果未だデザイン史上最高傑作と称される家具の卓越した品質が守られています。

木材

木材の加工

カッシーナは「木」を用いたル・コルビュジエの膨大な作品を掘り起こし、研究を実施。カッシーナ社の中核をなす木工家具生産の分野で培われた豊富な経験を生かす好機へと結び付けました。 すべての木工家具が兼ね備える本質的でシンプルな特質を、複雑な加工を以て際立たせ、より一層の磨きをかけました。例えば「タブレ」のつばめの尾形のジョイントは精緻な製造技術のたまものです。あるいは「マント掛け」のキノコ形に成形したノブには、カッシーナの高度な木材成形技術が生かされており、いずれも工業レベルで組織された製造システムではあるものの、随所に工芸的な手わざが取り入れられています。最新鋭の機械の助けを借りて加工が施される一方で手作業への配慮もなされており、長い修行の年月により鍛え上げられた職人一人一人の技術的なノウハウが製造工程に様々な形で反映され、刺激的要素として取り込まれているのです。

レザー